「市中病院」で病院を探し始めたものの、数百床の大きな病院から小さな病院までばらばらで、何を基準に選べばよいのか分からない——そんな5年生は少なくありません。
結論から言うと、市中病院は「何を伸ばしたいか」で4つのタイプに分けると選びやすくなります。メクキャリ掲載の市中病院862病院のデータで、タイプごとの規模・救急・当直の目安と、病院検索の条件まで整理しました。実は、救急車が多い病院ほど研修医も多く、「症例が多い=たくさん経験できる」とは限りません。
市中病院の初期研修は「何を伸ばしたいか」で選ぶ(4タイプ)
市中病院は、大学病院以外の臨床研修病院(地域の総合病院など)の通称です。大学病院との違いは「市中病院と大学病院の違い|初期研修はどっちが向いてる?3つの軸で比較」でまとめているので、この記事では市中病院どうしの違いに絞ります。
市中病院は、伸ばしたいことによって、次の4タイプに分けられます。タイプごとに、該当する病院の規模・救急・当直の目安を並べました。どのタイプにも長所と気をつけたい点があり、優劣はありません。
※2026年10月20日時点のメクキャリ掲載の市中病院862病院の値(病床数・救急車の件数・当直回数は病院の掲載情報)。当直回数は、求人情報の記載から月あたりの回数を読み取れた病院の値です。
市中病院862病院のデータ:規模・救急・人数・当直
全体の相場(分布)を知っておくと、病院見学や資料を見たときに「ここは当直が少なめだな」「救急車の件数に対して募集人数が多いな」と、自分の目で判断しやすくなります。メクキャリ掲載の市中病院862病院が、規模・救急・人数・当直でどのくらいばらついているかを見てみましょう(2026年10月20日時点)。
※中央値は、病院を数の小さい順に並べたときの真ん中の値です。2026年10月20日時点でメクキャリに掲載されている市中病院(862病院)の情報。病院が申告した値で、年度は病院により異なる場合があります。救急車の件数・当直回数は、掲載のない病院を除いています。募集人数は定員で、実際の研修医の人数ではありません。当直回数は、範囲の記載は中間値、週単位の記載は月あたりに換算した目安です。
救急の体制を見ると、3次救急の病院が24.2%(208病院)、2次救急の病院が75.6%(649病院)でした。同じ市中病院でも、規模・救急の件数・募集人数は大きく違います。
一方、当直は意外な結果でした。規模が大きいほど回数がやや増える傾向はあるものの、平均は300床未満の病院で月3.4回、300〜499床で3.8回、500床以上で4.1回と差は小さく、「大規模=当直が多い」とは言い切れません。当直の回数や手当は病院ごとに違うため、気になる病院は詳細ページの求人情報で確認しましょう。
症例が多い=たくさん経験できる、とは限らない理由
症例が多い病院ほど、研修医も多い
メクキャリ掲載の市中病院では、救急車が多い病院ほど、募集人数も多い傾向がありました。救急車が年間5,000件以上の病院(207病院)では、募集人数が11名以上の病院が57%を占める一方、年間3,000件未満の病院(378病院)では、募集人数が5名以下の病院が70%でした。
| 救急車の年間取扱件数 | 病院数 | 募集人数の中央値 | 募集人数11名以上の割合 |
|---|---|---|---|
| 〜2,999件 | 378病院 | 4名 | 5% |
| 3,000〜4,999件 | 262病院 | 7名 | 21% |
| 5,000件〜 | 207病院 | 12名 | 57% |
※2026年10月20日時点のメクキャリ掲載情報(救急車の件数と募集人数の両方が掲載されている847病院)。割合は四捨五入しています。救急車の件数は病院全体の受け入れ数で、研修医が対応する件数ではありません。
症例が多い病院は、同期の研修医も多く、症例を分け合う形になりやすいということです。「症例が多い」ことと「自分が手を動かせる」ことは、別の話として見ておきましょう。
症例が多いことと、幅広いことは別
市中病院の症例は、肺炎や心不全、骨折、脳卒中など、高齢の患者さんに多い疾患(common disease)が中心になりやすい傾向があります。高齢化が進むなかで、こうした疾患が症例の多くを占める病院も少なくありません。「症例が多い」ことと「症例が幅広い」ことは別です。数だけでなく、どんな症例が集まる病院なのかも見ておきましょう。
症例が多くても、指導医からのフィードバックが少なければ、身につく力は限られる場合があります。指導体制など、病院を見比べる基準は「初期研修の病院選びで重視すべき5つのポイント」で整理しています。
検索条件で「答え合わせ」して、資料請求で比べる
伸ばしたいことが決まったら、メクキャリの病院検索の条件に置き換えてみましょう。どのくらいの病院が当てはまるのか、答え合わせができます。
| 伸ばしたいこと | 病院検索の条件 | 該当病院数 |
|---|---|---|
| A 症例の数で勝負 | 病院区分「市中病院」+救急指定「3次」+募集人数10名以上 | 152病院 |
| B 基本症例をバランスよく | 病院区分「市中病院」+救急指定「2次」+募集人数6名以上 | 294病院 |
| C 少人数で手厚く | 病院区分「市中病院」+募集人数5名以下 | 374病院 |
| D 得意領域を深める | 病院区分「市中病院」+診療科(気になる診療科) | 診療科による |
※2026年10月20日時点の件数。条件の名称や選択肢は、検索画面の表記に合わせてください。A〜Cの条件のどれにも当てはまらない病院もあります。病床数は検索条件にないため、病院の詳細ページで確認できます。「当直回数」などでさらに絞り込むこともできます。
条件に合う病院が見つかったら、資料請求のボタンや、資料請求ができない病院は情報希望から、病院の情報を見比べてみましょう。候補の絞り込み方は、「研修先の候補の病院をどう選ぶか、選んだ後は何をするのか、迷っている人へ」でも紹介しています。
※資料請求・情報希望には、無料の会員登録(ログイン)が必要です。
まとめ:何を伸ばしたいかを決めて、条件で探す
市中病院は、「症例の数」「基本症例のバランス」「少人数の手厚さ」「得意領域」のどれを伸ばしたいかで、選び方が変わります。症例が多い病院ほど研修医も多く、当直は規模による差が小さいことも、データから分かりました。まずは自分の軸を決めて、検索条件に置き換え、資料請求で比べてみてください。
よくある質問
Q市中病院は、当直が多いですか?
Q募集人数や救急車の件数は、そのまま研修医の経験の多さですか?
Q進みたい診療科が決まっていない場合は?
出典:メクキャリ掲載の病院情報(2026年10月20日時点、市中病院862病院)